印刷された本を確認してみると、入稿時のデジタルデータと比べて覚えのない模様が入っていた経験があるという方もいるかもしれません。これは、印刷時に「モアレ」が生じたことによって引き起こされた現象です。

「モアレ」とは、製版後、あるいはオンデマンド印刷時に出現する、意図しない柄のことです。以下では、そんな意図しない模様「モアレ」を生じさせる原因と、その解決方法についてご紹介します。

モアレはどんなときに発生するのか

モアレは、アミ点の形状が変形していたり、間隔や並びがが不規則であると発生します。
アミ点の形状が綺麗でも、アミ点を重ね貼りしたり、アミ点自体がグレーで作られていたり、その後処理を施したりすることで発生する場合もあります。
アミ点とは、オフセット印刷における、画像の階調表現をアミ点面積率の大小で表現するための小さな点のパターンのことです。
アミ点は「AMスクリーン」という印刷方式の特徴で、「高い安定性と作業性」「製版時の忠実な再現性」「シャープな仕上がり」「滑らかで美しい平坦な色調の表現性」「再版時の色調調整が容易」などのメリットがあります。
グレーを表現する場合、白い背景に黒い点を並べ、細かな黒と白の連続によって人の目にグレーと認識させるのです。
ホープツーワンではオフセット印刷、オンデマンド印刷共に「AMスクリーン方式」を採用しています。

では、モアレの発生しやすいデータにならないよう注意すべき点はなんでしょうか。

サイズや解像度の変更をしない

アミ点の形状を変形させてしまう要因のひとつに、原稿サイズや解像度の変更が挙げられます。
モノクロ2階調で作成された原稿データのサイズを変更すると、アミ点のズレが生じてモアレが発生する場合があります。また、左右の比率が変わってしまうとより形状はいびつになり、モアレになってしまいます。

完成したデータを変更しなくて済むよう、原稿作成前にご本の仕上がりのサイズを決め、適したサイズと解像度を確認してから原稿作成にかかることが、モアレ防止につながる重要なポイントになります。

グレーベタとアミ点の併用はしない

<画像差し込み予定>
グレーベタの上にK100%のアミ点を配置したとします。
AMスクリーンの場合、データ上のグレーベタはアミ点に変換されます。そこへ、その上に配置してあったアミ点とが干渉しあうことで、モアレが発生してしまいます。

グレーベタとK100%のアミ点を重ねないように原稿作成してください。

アミ点はモノクロ2階調（K100％）にする

<画像差し込み予定>
例えアミ点の形状が綺麗でも、アミ点自体がグレーで作られていると、アミ点の中のグレーをさらにアミ点で表現することになり、その影響によりモアレが発生します。

また、アンチエイリアスが発生しているアミ点のように、アミ点とアミ点の間に少しでも色が入っていても同様です。

アミ点はモノクロ2階調、K100%になるようにしてください。

アナログ原稿のデジタル化も要注意

<画像差し込み予定>
アナログ原稿をスキャンしてデジタルデータ化する際のアンチエイリアスが影響する場合がありますので注意が必要です。

ホープツーワンではアナログ入稿も受付けておりますので、ご心配な方にはアナログ入稿をお勧めします。

印刷所を変えるときは要注意

ごく稀ではありますが、「再版で印刷所を変更したらモアレが出た」というお声があります。
この場合は、記事冒頭の印刷方式の違いに起因するものがほとんどです。
印刷に使用するデータが同一のものでも、印刷方式の違いで目立たなかったものが目立つようになってしまったのです。その印刷所に合ったデータの作成の仕方がありますので、各社ホームページなどで案内されているデータの作り方をよくご覧いただき、ベストなデータをご用意ください。

今回お伝えしたことは、ホープツーワン本体ページでも画像付きでより詳しく掲載しています。

「モアレ」についての詳細ページを見る

テスト印刷（試し刷り）のススメ

印刷所を変えた場合や印刷方式を変える場合、サイズの変更などで、モアレや色味などの印刷結果が不安な方へ、ホープツーワンでは、実際の印刷機を使用する「テスト印刷（試し刷り）」（有料）をお勧めしております。
印刷方式やページ数でお値段が変わります。また、大イベント期間中などはお受けできない場合もございますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら→
お電話はフリーダイヤル　0120-743-560（受付時間：9〜17時(土日祝除く)

最後に

モアレは、イラストのビジュアル面を大きく損なわせます。心を込めたご本であっても、モアレの有無によってその魅力は大きく異なります。
より魅力的な同人誌を作成するためには、アミ点を意識し、モアレの対策をしっかりと行い、美しい仕上がりを目指すことが大切です。

逆にモアレの特徴や発生原因を知ることによって、モアレを利用したデザインを作り出すことも可能になるでしょう。